鉄骨造の貸店舗の雨漏り改修を頼まれました。

何回か見てもらったけれど、原因が分からない、とのことです。

「大雨が降って、雨漏りが再現したら電話をしてくださいね」

とお伝えして、しばらくは様子見です。

 

すると、『雨漏りがしました!』との連絡が入りました。

さっそく現場へ急行し、現状確認です。

 

R0012648
 

確かに、天井は雨漏りで濡れています。

天井材を解体して、天井裏を覗いてみました。

 

CIMG2353
 

やはり、柱には雨が垂れてきて濡れています。

この水滴をたどっていきます。

 

CIMG2359
 

H鋼の梁から、ポタポタと水滴が落ちてきています。

さらに水滴の上流へとたどっていきます。

 

CIMG2354
 

赤いのは鉄骨です。

グレーのものは、谷コイルという板金を折り曲げたものです。

谷コイルとは、雨樋です。

普段みなさんが見かける雨樋は、プラスチックの軒樋ですね。

大型の建物は、屋根に落ちる雨の量がとても多いので

住宅用の樋では、樋があふれてしまいます。

 

今回の鉄骨の店舗は、大きな屋根なので雨水も大量です。

そこで谷コイルという板金で、箱型に折り曲げて

大きな樋を作ります。

 

ただ問題があって、1本の長さはせいぜい4mぐらいです。

建物が30mの長さがあれば、8本の箱をつなげるのです。

 

そして案の定、箱のつなぎ目から水滴が落ちていました。

 

CIMG2357
 

あとは屋根の上に登り、箱の継ぎ目を防水処理します。

ところが、ここからが面倒なんですよ。

 

CIMG2347
CIMG2349
 

箱の中は、こんなに汚れているのです。

防水材料が箱に密着するためには、これをきれいに掃除します。

狭い空間に手を入れ、ゴミと泥をシャベルでかき出します。

そのあと、雑巾でふき掃除をして、乾かします。

 

掃除が終わるころには、手は引っ掻き傷で赤くなります。

そして2時間後にやっと防水工事がやれるのです。

 

部屋に戻り、天井材を張り替えて、やっと完了です。

 

それでもすぐに原因が分かり、簡単な仕事でした。